「舞台 下天の華」 感想

2015年05月17日

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 公式サイト:舞台 下天の華
 http://www.geten-butai.com/

 舞台 下天の華
 ※囲いの部分のみ敬称略

 日程:2015年5月9日(土) ~ 5月17日(日)
 場所:全労済ホール/スペース・ゼロ

 脚本・演出:キタムラトシヒロ

 ほたる/桔梗:美咲アヤカ、織田信長:小笠原健、明智光秀:川㟢祐樹、羽柴秀吉:高橋良輔、徳川家康:小林涼、森蘭丸:横山真史、百地尚光:粕谷佳五、織田信行:福山聖二 他…

 下天の華が舞台化ということで、下天ファンの方と観に行ってきました! ブログには書いておりませんが、夢灯りまでプレイしています。
 既に噂はかねがね聞いておりまして、大変好評の舞台であると。一体どんなに素晴らしいものになっているのかと胸を躍らせてその日を迎えたのですが、まさに最高の一言でした。
 もともと役者さんがそのキャラクタの衣装を着ての写真を拝見した時点で、「二次元から抜けだしている…!」と本気で思いまして、期待が高まるばかりだったのですが、生でもそれらは損なわれることが一切なく、とにかく感動の約3時間でした。楽しい時間というのはあっという間とよく言いますが、まさにその通りで。時計を見ては驚いたものです。
 さて、何が素晴らしいと言えばまずはそれぞれのキャラクタがそのまま三次元で再現されているという演技でしょうか。まずはほぼ設定通りの身長の役者さんが多いので、その迫力、キャラクタ同士の身長差なども簡単に分かるというのは凄いですね。チケットを取って下さった方がとても座席運が良く、本当に目の前に近い場所で拝めたのですが、間近で見る190cm近いそのキャラの迫力たるや言葉に出来ませんね!
 また、声も声優さんが演じているわけではないので違うかと思いきやそのままに近い方も! 特に秀吉の方は森久保さんそっくりで! 笑い方や「お姫さん」の言い方は、「あれ? 森久保さんのご兄弟…?」と思うほどでした。他の方もそっくり過ぎて、こんなことってあるのか! と驚きに溢れたものです。
 そして役者魂が出るであろうそのキャラクタの仕草や殺陣や表情でしょう。ゲームではアクションシーンは無いので舞台オリジナルと言えばそうなのですが、このキャラクタが殺陣をしたらこういう動きをするであろうというそのまま感、ゲームだとスチルが限られるので表情も限られますが、舞台だからこそ味わえるころころと変わる無数の表情。まさに舞台だからこそ楽しめる、味わえる、それらが更に下天の華という作品を彩っているのだな、としみじみ思いました。
 まさにゲームでも楽しめた部分と更にゲームでは味わえない部分が合体しているので、これが素晴らしくないわけがないのです。本当に至福の時間でした。

 また脚本・演出を担当されたキタムラ氏のファンがどんどん増えるというのもとてもよく分かる舞台でした。
 下天の華の信長ルートのシナリオに、更に全員分のイベント織り交ぜ、約3時間に収めるというのはとても大変だと思います。実際展開が早い部分はありますが、これは当然だと思いますし無理があるというものではありません。それぞれのキャラクタらしいエピソードを含めつつ、オリジナル展開も込めつつ、最後までぎっしり詰まった舞台でした。例えるならば、ゲームでは光秀兄様が桔梗の口にまんじゅうを詰めますが、あれくらいぎっしり詰まった感じでした。

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 物販も写真がとても色々な種類があり、信行をメインに色々と買いました。こちらの写真は信行メインのです!
 信行は穏やかに微笑んでいるのもとてもいいですが、憂いを秘めたような表情もやっぱりいいですね! 曼珠沙華がとてもよく似合っていて、織田兄弟のペア写真も凄くお気に入りです。
 
 

 以下、ネタバレ含む感想ですのでご注意を。





 まず舞台は使用される音楽が舞台オリジナルでして、既存の曲ではなかったです。
 そして、本能寺へ向かうほたるを手助けする武将が、光秀、秀吉、家康の三種類があるマルチになっており、それらはあみだくじで決まったと(笑) 自分が観た回は、家康だったはずです。あのシーンで合っていれば…!

 更に幕間では殺陣衆の方々にお糸さんと更には光秀兄様まで!! 休憩中のサービスまで満点で、とにかく見逃せないものでした。自分はトイレに行っていたのもあり、ほぼ見逃しているのですが、兄様が全く喋らず全部お糸さんに言ってもらっていたというのが、大変おもしろく! また、兄様と言えばな顎クイを殺陣衆の方にされており、その瞬間の黄色い声と言ったら素晴らしかったですね~!! 愛されているなぁとほのぼのしながら拝見しておりました。

 これは加筆になりますが、音響の方の仕事の見事さも凄いですね!!
 殺陣シーンの動きももちろん素晴らしいというのは以下で沢山綴っておりますが、自分はてっきりSEに合わせて役者さんが演技しているのだと思い込んでおりました。そうすれば稽古もやりやすそうですし、動きのパターンも余計に合わせやすいのかな、という理由で。が、音響さんが合わせているというのをお聞きして、あのシーンを思い出しては目玉飛び出そうに!! 本当にズレなしというか、完全に合っているというか、違和感ないので、これぞプロの仕事か! と、感動でした。
 こういう舞台は役者さんだけでは作れないというのを改めて感じますね。客席からは見えずともと思うとまた感慨深いです。



一幕

 さて、本編は信長と言えば敦盛! というわけで、敦盛から始まりました。信長様の優美かつ貫禄に溢れた舞は、最初から心を掴まれました。
 最前に近い列で拝めたので、本当に目の前で拝めました。が、役者さん方の身長が高いため若干首が痛くなる位置でも。しかし表情は鮮明に見えますし、花道での演技が見辛いという難点もありますが、あのド迫力というのは中々他では体験できないと思います。どこの席にでも長所短所はございますね。

 そしてほたるはと言えば、安土城へと任務になるのですが、その任務を自分がと他の忍びたちも言います。であれば、勝った者が行けばいいというわけで初っ端からの殺陣です! これがまぁ格好いいのなんの。SEにピッタリあってのあのアクションシーンは、どのくらい練習すればなるのか、演劇経験のない自分には分かりませんが、お見事でして、まさにワクワクしますね!
 ほたるが勝ち上がってから舞台のかなり前方に出てきての幕が一瞬で降りてきてからのOPは、かなり痺れる展開でした。あれも一瞬のズレも許されないと思うので、まさに稽古の賜物というか、美咲さんとても素敵だなぁと惚れ惚れしながらでした。
 最初からテンションが一気に上がったので嬉しかったですね。一気に引き込まれました。


 ほたると言えば変化なのですが、あの早着替えはどうされているのだろう…と思いました。小鳥や蛙、地蔵は小物を使っておりましたが、ほたると桔梗の変化は忍び服からの着物なので、忍び服の上から着ているのでしょうかね?
 兄様が最初に小鳥を見つけた時の遠慮のない掴み方もまた良かったのですが、そのあとの頑張って色を…なのだけどもチャーミングさが勝るほたるがとても愛らしく! 美咲さんならではのほたるで、とても可愛いなぁと思いました。
 というわけで、ほたるが光秀に飼われることになり、それぞれの武将との出会いも済ませるのですが、秀吉の出会いがあのひょうたんのイベントも込みだったので、こういう展開にも出来るのだな、と。そして家康がおらず、韋駄天の君を探す展開になりましたが、「海老天?」な、ノリに会場も沸いておりましたね! ちょくちょくこういうギャグも入るので、ダレることもなく、シリアスあり、笑いありでした。

 笑いありと言えば何と言ってもオリジナルの存在である忍者トリオでしょう!! 特に丑丸のツッコミ、不死身の与市、ノリが楽しすぎる小豆と、出てくる度に爆笑でした。
 確か小豆だったと思うのですが、「だってばよ!」は、本当に爆笑しましたね! 「それまずいんじゃ…」というツッコミもあり、笑いました。
 また、イケメンの話題だったと思うのですが、与市が「風間トオル」さんのお名前を出すものの噛んでしまい、「何噛んでんだよ!」という丑丸のアドリブツッコミ入りましたね(笑)
 基本的に三人はギャグシーンであり、重要な情報をもたらしたり、たけのこを掘ったり、牢屋が家だったりと色々なのですが、シリアスとギャグのメリハリが効いていてとても楽しかったです。なんでしょうね、こうすっぱり切り分けて楽しめました! 一見、ほたるたちの邪魔に入るのかと思えば、そうではないのもまた魅力で。憎めないキャラクタたちで楽しかったです。


 韋駄天の君を探す際には、女房に変化するのですがほぼお糸さんということで、少々様子が違うお糸さんが拝めたのも楽しかったですね! 美咲さん演じるほたるを演じるお糸さんという感じになっていて、実際に稽古が始まって美咲さんのご様子を確認しながら更にものにしていったのかな? などなど、ついそういうことまで考えてしまいました。
 女房さんたちはゲームと同じく、明るい感じの方々で華やかでしたねぇ。秀吉様~! となっている姿が印象的でした。

 そしていざ韋駄天の君とご対面! になるのですが、これがまぁ家康が本当に二次元からそのまんまもそのまんまですよね! あの長身からのおどおどとした身振り手振り、しかしながら優しさが溢れる笑顔や態度は生になっても凄かったです。
 特にほたるちゃんとの身長差が凄いのなんの! 美咲さんが160cmで、小林さんが187cmということで実に27cm差だったのですが、これだけ差があると凄いものなのですね! そして苦手な女性が目の前に! ということでほたるに倒れこむのですが、そのシーンもまた可愛く! 家康はとにかく可愛かったですねぇ。おどおどしつつ、倒れつつ、それでも草木や小鳥たちの話になると目を爛々と輝かせて話す姿、この差がまた素敵でした。
 しかし信長役の小笠原さんも181cmということで、凄く大きいのですが、それでも蘭丸と家康(同身長)と並ぶと差が出るので、驚いてしまいますね。
 ほたるに対してのおどおど加減と、それを叱る信長に対しての家康の謝る姿などもまた可愛かったです。


 さてさて、森久保祥太郎さんのご家族ですか? というほど、声も喋りもそっくりな秀吉だったわけですが、最も表情に注目したキャラクタでした。
 秀吉自体がおちゃめな面と真面目なキレ者な面の差が凄いので、それら場面に合わせての表情の変化は一見の価値ありかと! 特に、真面目なシーンになる時の顔つきの変化はやはりドキッとしますね。女好きで、飄々としてて仕事はやっぱり全然していなくて…という秀吉だけではないので、これこそ舞台の良さ、生きているからこその良さだなぁと釘付けでした。

 秀吉の頭の良さが感じられるのはやはりあの手紙に香を忍ばせ…という部分ではないでしょうかね。桔梗の正体をいち早く見抜くイベントもしっかりと用意されており、やはりここを逃すわけがないか! という感じで、ゲームでも印象的だった場面はほぼ網羅されている感じでした。

 それにしても本当にあの秀吉なんですよねぇ…
 一度森久保さんと実際に秀吉同士でトークというのを拝んでみたくなりました。森久保さんの秀吉を取り込みつつ、この秀吉ならばこういう動きをするだろう、こういうおどけ方をするであろうという、高橋さんの凄さというのもまた感じるのでした。


 くのいちを飼うことにした兄様も兄様っぷりが本当に凄く。出てきた瞬間、「あ、兄様が現実に…」そんな感じです。歩き方と言い、光秀が持つ独特の色気ある視線などなど、思わず見惚れてしまいますね。こうスッと吸い込まれる感じですかね。知的で冷静で、秀吉の悪口を言われようと、「聞こえない所で言いなさい」と面と向かって言えるあの光秀がそこにいる! そんな感じでした。
 ゲーム中でもそうでしたが、光秀がお糸さんや女房たちに話す時と、その他の話し方や声が変わるのが好きだったのですが、それが舞台でも聞けて大満足です!
 仲睦まじい桔梗との兄妹劇場も拝めましたが、やはり一瞬かなり近付くというシーンがあるのですよね。どのキャラクタともありますが、光秀はゲーム内のあの絵が凄く印象的だったので、舞台でもそのドキドキ差は変わらず。しかし、信長ルートですので、いいところで邪魔が入るのがお約束でも(笑)

 そういえば光秀は髪飾りに白い羽根がありますが、舞台衣装でもしっかりとありまして、ふわふわと揺れる様がなんだか愛らしくてつい目で追ってしまいました。
 そしてそんな冷静な兄様の可愛い面もしっかりあってご満悦です!! お糸さんが羊羹を持ってきて下さるのですが、まず真っ先に食いつくのは光秀で(笑) 即桔梗の好物なんですとか言いつつ、お糸さんに「羊羹はどこです?」みたいな感じで尋ねて一緒に立ち去ってしまうくらいですからね。可愛いなー! と!
 舞台ではまんじゅうを口に詰め込むシーンはありませんでしたが、どこかの日の幕間ですかね? 実際にされたそうで!! 羨ましいですね、拝めた方が!


 敦盛で始まった信長様でしたが、信長様もこれまた信長様で。どのキャラクタもそうなので、書く必要ないだろうと思うのですが、書かずにはいられません。
 しかしこの衣装は生でもとても映えますね! 思わず食い入るように見入ってしまいましたし、一緒に観劇した方ともお話していたのですが、信長様が刀に腕を乗せて普段過ごされるのですが、それが物凄くいいのですよ!! ああ、それでこそ信長様というか、信長様がそこにいるというのをより実感します。あのポーズは肝だと思っているのですが、まさにサマになっていて、どこまでも付いていきます! という気持ちに。

 メインは信長ルートで進行していくので、それこそ桔梗と過ごすことは多いです。その中でも信長が夢を持て、と語る話が軸になってきますが、そのやりとりがまたいいのですよね。
 忍びだからこそ任務に忠実であれ。夢など考えたことがないほたるには、衝撃だったでしょう。楽しそうに、面白い世にしたいと楽市の様子を案内したり、奥方と噂されて桔梗を持ち上げたりと破天荒な行動はするものの、一貫して変わらぬ夢を追い続けるその姿、生き様というのはとても格好いいです。
 だからこそ信長が夢を語る時に信行を思い出すと辛くもあり、しかしそこがまたいいなぁと思いながら見ておりました。

 やっぱり役者さんは凄いなぁと思うのは完全に自分のものにしているという部分ですよね。ゲームを知らなくて観劇した方でも、ゲームをやったら何の違和感もないと思います。とてもいいゲームなので、未プレイの方がこれで興味を持って下さったらいいなぁと、ファンは思ったりも…。

 そうですそうです、楽市でのやりとりと言えば腰を痛める信長様ですよね(笑)
 あの、あの第六天魔王が腰を!? と(笑) 会場も大笑いでしたね。なんでしょう、こういう楽しい展開も混ざっていて、ますます身近に感じました。それから、一幕か二幕どちらかだったかは忘れてしまったのですが、「で、あるか」が出たのですよね! 確か!! 出た瞬間、思わずガタッとなりかけたというか反応しましたねぇ。


 信長様と言えば蘭丸でしょう!
 とにかくどこでも信長様信長様信長様と信長様な蘭丸。蘭丸の方がガタイがいいというのもあり、更に武器も長いものなので、迫力がまた段違いでしたね! 殺陣の格好良さたるや、皆さん格好良いのですが、中でもかなり印象に残りました。護衛も兼ねているので、恐らく百地やほたるに並ぶほど、もしくは最も殺陣があったのではないでしょうかね? あの大きさのものを難なく振り回し、見事なアクションは口を開けて見入っていました。
 ゲームでもお馴染みのやりとりの「聞き飽きたわ!」という信長様からの叱責に負けずに、日々頑張る蘭丸がまたいいのですよねぇ。真面目で真っ直ぐで、信長様だけを見ていて…。
 と、思っていたらの蛙シーンで爆笑しました!!! あの蘭丸が逃げ腰というか完全に逃げているというか(笑) あの時の横山さんの演技にもまたまた釘付けで、あれだけ格好いい殺陣をして、背格好でも怖いものなし! に見える蘭丸が蛙が怖いというこのギャップもたまらなく愛しいものです。
 舞台はどのキャラクタも美味しいどこ取りですよね!! 蘭丸と言えばな七助とのやりとりもありましたし。

 七助は六助という牢屋番の青年をほたるが元にして、だったわけで蘭丸は瓜二つというか本人である六助に迫りまくる…と書いては語弊がありますが、ほぼ事実というか(笑) 六助、蘭丸のせいで辞めてしまいますしね(笑)
 これは二幕でのことになりますが、七助の正体がわかった時の、「七助……えええ!?」のように、一拍置いてからの驚きと、あまりに驚き過ぎて秀吉と舞台の端側で顔芸が続いていて、本当は信長様辺りのお話が続いていたのですが、つい顔芸組を追い続けてしまったことも(笑) 一度だけで全部は楽しめませんね。特に秀吉には、真犯人が判明した時も散々からかわれていて、全部蘭丸に押し付けようとする秀吉と「なんで俺に!」となっている蘭丸のやりとりがとにかく面白くて!
 ど真面目が過ぎている蘭丸だからこその面白さで、楽しかったです! 蘭丸もやっぱり好きです。


 さて、大本命、肝心要の信行ですよ…。
 信行が出た瞬間もう目線はそちらですし、タオルハンカチ握る手は汗ばみますし、アドレナリン大放出ですし、大変でした(笑)
 一幕は、信長の弟ではあるものの柔和で気品があって穏やかな笑顔で皆を出迎える、そんな信行で始まりました。
 舞台で凄く嬉しかったのは、信行らしい穏やかな動きをその目で追えたことでしょうか。ゲームでは声や一枚絵ばかりですので、動きなどは役者さんに任されるわけですが、信行ならこうするであろう動きのゆったりさがドストライクでした。
 歩くときの穏やかさ。その身に纏う雰囲気、そして一礼するときのゆったり加減と角度が、自分の中の想像の信行に近いという感じですかね? あ、凄く信行…と益々大好きになりました。

 プレイされた方や観劇済みの方はご存知だと思いますが、穏やかな信行は極々限られますからね…。
 姫を兄上とこの干し柿のようには…そう穏やかに語る姿はごくわずか。そう思うと尚更一瞬も逃せません。
 兄上を支え、皆とも仲睦まじくやっていく、良心的存在に見える信行は、この後を考えるとまた苦しくもあるのですが、一幕では決して裏の顔を見せない徹底加減がまたよかったです。




二幕

 15分休憩のあとに二幕が始まりました。
 さすがに女性客が大半なので、男子トイレも女性用に臨時になっておりましたね。ありがたかったです。

 二幕はもう怒涛の展開で。一幕が人物の紹介や縁を深める様子、平和な様子や夢を考える時間というゆったりな感じで進むのを考えますと、二幕は展開がスピーディーです。
 信長がついに京へと向かう事になるわけですが、ここまで来ても信長を付け狙う鼠が全く捕まらないという…。警固を任されているのは光秀ですが、あの光秀を上回って自由に動けている鼠をあぶり出す為に動き出しますが、その事実は桔梗には隠して進めるのがまた凄いですね。実は初回プレイで完全に誤解しましたね、光秀のこと…。
 「時は今…」
 が詠まれた時のあの瞬間。真っ先に目で追ったのは信行だったのですが、記憶が合っていれば険しい表情になっていたと思います。それは兄に謀反をとも取れるものですので、当然と言えば当然ではありますが、真意を知っているとまた違って受け取れますね。
 ここで素直に喜んでいるのは家康で、他の面子はかなり険しい表情であり雰囲気になるのがいいですねぇ。すぐさま蘭丸は「光秀が危険だ」と、信長に言いますが、軽くあしらわれてしまうと。秀吉は秀吉で色々と考えているでしょうし、どんな展開になるのかワクワクしておりました。
 そして明かされる真犯人と、そして信長を殺せという最後の仕事が…。

 他のキャラクタと縁を深められなくなる展開もしっかりと組み込みつつ、信長と二人で時を過ごすのですが、その時には完全に任務を忘れて笑顔で話す桔梗の姿がまたとてもいいのですよね! 無邪気で可愛くて、ずっと笑っていればいいというその言葉がぴったりな桔梗がいて、だからこそ殺せという絶対に出来ない任務の対比がキツイものです。
 信長の男前な部分は、確証はなくとも、分かっていてもそれすらを飲み込んで自分のものに、自分が舵をとってしまうその凄さだと思っています。舞台でもその部分はしっかりと描かれていて、やっぱり付いて行きたい! と、思わせられますね。

 そんな中、蛍見の宴が始まってしまい、いざくないを…という所で信長が取った行動がまた信長様なのですよね! 他の誰でも出来ない、信長だからこそ出来ることで、それが物凄く良かったです。


 さて、話を少し飛ばしましていざ本能寺の感想に。ここらで活躍したのは小豆たちでしたね! 本能寺に向かっているという、重大過ぎる情報を渡したわけで、本能寺あとの彼らの活躍も楽しみになるような感じでした。家康とのたけのこ掘りシーンも見てみたかったですね!

 本能寺ということで、「敵は本能寺にあり!」という明智光秀の重大な台詞は花道でのものだったのですが、本当に凄い迫力でした。普段声を荒げることのない兄様が大声で言うその姿や声の張り上げ方、忘れられません。光秀の中では一番くらいに印象的だったシーンです。
 そして、ここからはボロボロ泣きました…。観ている最中、涙が口に入るのでとにかくしょっぱくて、涙で目が見えなくて信行が見えない…ともなりつつ、福山さんの名演技にとにかく号泣でした。
 信行の魅力は穏やかな部分、柔和な部分もですが、この鬼気迫るシーン、声を荒げるシーン、泣いてしまうシーン、自分でも分かっているのにそれでも…というこの葛藤。激しく渦巻く心情がとても魅力だと思っています。
 狂気に満ちたかのような笑いはどうしても寂しくなってしまうのですが、それもまた信行なのですよね。もうそうでもしないと立っていられないのか、自分が崩れ去りそうなのか、とも心配なのですが…。
 絶対に届かない、絶対に叶わない、どれだけ努力しても何も近付けない、そんな存在である兄・信長。家臣たち、父上たち、裏切りが続く自分と、歯向かう者もいるけれども慕う者も沢山いる信長と較べてしまっては、とにかく辛いでしょう。信行には信行の良さがあり、そこは信長には全くない部分であり、そこが魅力ですが、武士として将としてというのを求められる時代とすれば、信行の良さは中々難しいものかもしれません。それでも人望も劣るとは嘆きつつも二千を集められる力は紛れも無く信行の凄い力だと思います。
 実の兄だからこそ、身近過ぎる存在だからこそ、その大きさをより感じてしまうのだろうと思うと胸が苦しいものです。

 実の弟がと分かっても取り乱したりもせず、前へ前へと見る信長の姿は信行にはさぞ光であり眩しくあり、届かない距離を改めて感じてしまうことだったかもしれません。それでも誰にも手出しはさせず一騎打ちをする織田兄弟。
 剣術でも敵わないということで、刀を両手で持ち、震える姿でただただ剣を振るうことしか出来ない信行に対して片手で軽くあしらう信長。簡単に吹き飛ばされてしまい、果てしない差を見せつけられるも、それでも懸命に立ち上がって両手で切り込んでいくその姿。剣術は誰が見ても一番拙いのでしょう。まるで子どもが大人に、というようにも見えます。それでも馬鹿にしたりはせず、しっかりと見据えて跳ね返す信長の弟に対する気持ち、何度倒されても泣いてもそれでも立ち上がる信行。号泣しながら観ていたのですが、下天の華が魅せてくれる織田兄第のこういう所が大好きでしょうがない自分には、たまらなく嬉しい瞬間でした。
 信長の弟に対しての真剣さもとてつもなく好きです。挑発するような事はいえども、絶対に馬鹿にしませんよね。ずっと傍にいた弟の気持ちや考えなど見抜いていたでしょう。今回の舞台ではそれらは触れられませんでしたが、手を抜くこと無く一騎打ちをしっかりと務めたその姿から、そういうのを感じました。
 そして「父はね」「兄上は」と泣きながら本音を話す信行の姿。曼珠沙華の花をつんで涙を流せる信行がこの六年どれほどの思いでいたのかも痛いほど伝わります。自分自身でも分かっている部分もあったでしょうが、それでももうここまで来てしまったと。
 信長が信行に下したものを、また一つの兄弟の愛情だったと思います。互いにないものを持っている二人。乱世でなければというifはないですが、もしもあれば…と、つい考えてしまいました。

 また、最後の最後まで俺は裏切らないと任務をこなした百地もとても格好良かったです。
 ずっと付き添っていて、百地なりの情だったと思っていますし、最後の最後で花道で二人で立つ姿も印象的でした。
 が、この回で「ほたる!」を「ほてる!」と言ってしまうというミスを(笑) カーテンコールでの百地というか完全に中の人に戻っていたトークでもありましたが、凄くシリアスなシーンだったので千秋楽等でもどうだったのか気になる所です(笑)

 最後の最後はほたるがほたるとしての夢を信長に伝え、また皆の前で抱きかかえられて大団円…というところでの腰を痛める信長様に笑いながらの〆でした(笑)
 大泣きの後は笑いが嬉しいものです!


 こちらの本能寺は織田兄弟が何と言っても個人的に大注目なのですが、同じくらい大注目なのが全員の殺陣シーンかと!!
 全般を通して殺陣シーンは結構挟まれておりました。百地もそうですし、殺陣衆の皆さんの迫力は凄すぎでしたよ! 四方八方からということで、舞台を余すこと無く使用するので、あっちもこっちも凄いシーンがと目で全部追えないのが勿体無いくらいでした。

 またそれぞれのキャラクタの殺陣がですねぇ、これはもう痺れまくるに決まっているではないですか…。
 信長様は一騎打ちでもその他でもですが、片手での余裕を見せつける戦いぶりが格好いいのです。構えのポーズだけでも勝てないあの気迫。第六天魔王っぷりがとても素敵でした。
 秀吉はと言えば、そのひょうきんさから最初は全て身体で攻撃を避けてしまうという身のこなしの軽さが凄かったです! 全部避けたあとは反撃なのですが、これまた素早く華麗で。大体のキャラクタは刀で受け止めますが、全て避けきるのはさすがの秀吉ですね。
 また光秀も光秀らしいのは、まぁ文官よりという立場に近い感じですので銃剣を持っての参戦でしたが、敵対した相手の刀を抜いて、自分のものにしてしまうというこの魅せ方が最高でしたね~! ああ、光秀絶対にやりそうというか。また殺陣も他のキャラクタと比べて一撃一撃の優雅さが凄かったです。迫力はあるのでスピーディなのですが、静かな構えからの攻撃なのですよね。性格が出ています。
 そしてあのおどおど家康がどう戦うのか、と楽しみだったのですが、マルチもありこの回は見せ場でした! 「もう黙って」が聞けて心の中では叫びに近かったのですが、本当に聞けて幸せでした…。
 戦い方と言えば、かなり動く感じで一気に武士という感じがしましたね。兄様よりも激しい動きというか。しかし家康らしいな~と思ったのは、袖を片手でしっかりと持って邪魔にならぬようにしながら戦う仕草で! 可愛いなぁと思いつつ、家康はそういうところとても気にしそうだなぁと咀嚼しながら見ておりました。

 これは他の方のご意見でもよく見ましたが、もっともっと殺陣あってもいい! というのは自分も思いましたね。
 というのも物凄く格好いいので、「え!? もう終わってしまうの!?」と名残惜しすぎて。しかしながらもっと観たい! という所で切り上げるのは、印象にも残りやすいでしょうし、次もというそういう意識への持って行き方には有効だなぁとも。
 尺の関係や描きたい部分の都合もあると思いますが、素敵なアクションだったのでもっともっと見ていたかったですね!!



 何はともあれ大大大満足の舞台でした!!
 カーテンコールでのトークは百地であり、色々なツッコミが入ったりかなり爆笑で(笑) 忍者めしをもらえた方は最高のプレゼントになりましたね~! おめでとうございます!!

 また最後の最後に正面にほたると信長様、下手側に信行、上手側に光秀で幕が降りました。
 が、この時ご一緒していた方は光秀ファンで、自分が信行ファンなので、座る位置がちょうど反対でしたね、と(笑) しかもお互いその方向しか向いていなかったのでそこ以外が視界に入っていないのも分かり、非常に面白かったです。

 物販もスムーズでしたし、DVDの予約をされている方も多かったですし、是非とも次への展開に繋がって欲しいですね!
 本当に素晴らしい舞台だったので、東京公演だけというのももったいなく、また夢灯りも見てみたくもなり、下天の華という作品の次への発展にも期待したくなるものでした。
 本当に宝のような時間でした。1度きりなんて勿体無いくらいで…。夢の様な時間をどうもありがとうございました!

  岡本寛志さんと信行のツーショットが拝めたのです!!! 岡本さんは初日に観に行かれたようですが、絶賛しておりましたね。いつか岡本さんが信行衣装を着て…というのも拝みたく思います。

 千秋楽も終えたということで、光秀役の川嵜さんが信行と蘭丸と! 皆様とてもかわいく!!
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コメント

  1. 晶良 | URL | -

    しまった、ちょっと誤解を招いておりました。

    音響さんがタイミングを合わせてSEを鳴らしているのは確定なんです。
    問題はそのSEなのですが、あらかじめ録音されている剣戟の音をボタン操作で鳴らすか、或いはアナログな道具で動きに合わせて鳴らし方を変えているかのどちらかで、考えられるとしたら後者の可能性が高いって事なのです。前者は前者で相当練習が必要ですね。
    殺陣などは練習すると解りますが、本番でも何でも一度として全く同じ物にはならないので、通して録音されていた効果音に合わせるなんて芸当は不可能ですし、それをやると陳腐なものになってしまいます。
    なので音響さんとっても頑張ったんですよ。褒めてくださいませ!

  2. マリ | URL | 1JkepbtE

    晶良さん

     大変失礼しました。先ほど訂正してきました。ご迷惑おかけしました、ありがとうございます!

     そこは確実に確定なのですね。本文ではざっくり書いたのですが、例えば音楽で言うならば譜面のようにここでこのSEが入るというような台本のようなものがあるものだと思っていたので、twitterでも拝見しましたが、不可能だったとは! 想像を超えたものなのですね。
     確かに全部一緒ですと面白みも欠けるでしょうし、舞台は生物と思っているので、それらの新鮮味や役者さんの色が失せてしまいますね。

     SEにしても種類があると。それらも全く知らなかったので、非常にありがたいです!
     コメント含めて本文の完成と思っておりますので、自分の方は訂正のみであとはこちらまで見て頂けたらと…!

     しかし改めて思い返すと本当音響さん凄すぎだと!!! 忍者ものなので相手がいない所から急に攻撃がというのも多いので、反射神経も凄いものでしょうし、音響に憧れる方が多いのも頷けつつ、こういった裏話込みの特典が付くと嬉しいです!

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